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【コラム】機材を売却したときの対応

歯科医院を経営する先生からご質問をいただきました。

「レントゲンの機材を廃棄することになりました。
廃棄業者の回収に出すと二束三文になりそうです。
一方で、ネットオークションに出品したらそれなりの価値になりそうです。
2つの方法について、税務会計上注意すべき点があれば教えてください。
また、この機材についての減価償却費の取扱いについて教えてください。
取得価額は100万円、期首における減価償却累計額は50万円です。」

 

業者に廃棄依頼をして二束三文になるくらいなら、
ネットオークションでお金に変えよう、少し経験のある方なら
そう思われるのも当然です。おのおのの場合における注意点を、
計算例をもとに見てみましょう。
 
1廃棄業者に引き渡した場合
(解説)
廃棄証明書を発行してくれるはずですので、必ずこちらを保管してください。
減価償却資産を廃棄した場合には、未償却残高を費用化します。
この手続きを行うためには、廃棄証明を保管しておくことが必要となっています。
未償却残高がある場合には、1円を残して当該金額が損金計上されます。
 
(計算式)
取得価額100-減価償却累計額50‐1=損金計上額49
 
(効果)
売却による資金回収はできませんが、利益を49圧縮することができます。
 
2ネットオークションで売却した場合
(解説)
売却額が雑収入として計上されます。
一方、減価償却資産の未償却残高から1円を差し引いた金額が費用として計上されます。
したがって、利益に与える影響としては、下記により計算した金額となります。
 
(計算式)
売却額60‐(未償却残高50*‐1)=売却益11
 
*未償却残高=取得価額100-期首減価償却累計額50
 
(効果)
売却資金が手に入りますが、同時に売却益が計上され、
利益を上振れさせる要因となります。
 
売却額によっては、売却損が出る場合も当然にあります。
予想落札価格を見極めて、利益に与える影響額を計りましょう。