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【コラム】忙しいドクター向け「証憑の整理」について(後篇)

前回は、クリニックの経営管理をすすめる第一歩として、証憑の整理が必要であることをお話ししました。そして、その整理方法について、アクアが提案しているやり方をご紹介いたしました。

証憑の整理は、会計記録として記帳される前と後に大別されます。今回は、会計記録として記帳された後の証憑の整理について考えてみます。

 結論からいうと、会計記録として記帳された後も、証憑を体系的に整理することが望ましいと言えます。
 なぜならば、証憑にもとづいて取引が記帳されたあとも、その取引の内容を見直すことがよくあるからです。
 どのような場合に証憑を見直すことがあるのか。クリニックの利害関係者を想定しながら具体的に挙げてみましょう。

(患者との関係)
たとえば、社会保険診療報酬支払基金から送付される支払通知書は、毎月のクリニックの収益がどこからあがっているのかを明らかにしてくれます。
 自費診療が多いのか、社会保険診療報酬が多いのかといった情報も、クリニックの死活を分かつ重要な答えをもたらしてくれます。
 このような情報を時系列で整理しておくことで、売上の推移を把握しやすくなります。

(取引先との関係)
 歯科に特有な科目として、診療材料費や外注技工料といった科目があります。これらの取引先に対する情報は、売上に対してどのくらいの原価がかかっているのかを明らかにしてくれます。利益を考えるうえで重要な情報になってきます。

(税務署との関係) 
税務署からの突然の質問にも慌てることなく、証拠力の高い回答をすることができます。従業員の給与にかかる所得税について問合せをうけるケースが考えられます。

(従業員との関係)
 給与の計算根拠となる資料や各種税金の納付に係る資料があります。社会保険料の会社負担額など、見えにくい人件費を明らかにすることで経営管理に役立てます。

 では大まかな整理の仕方をご紹介すると、一つには勘定科目別に下記のように整理する方法があります。
 (1)売上に係るもの(社会保険診療報酬支払通知、国民健康保険支払通知など)

 (2)経費のうち、預金口座から支払われ、売上原価となるもの(診療材料費や歯科技
工料など請求書があるもの)

 (3)経費のうち、預金口座から支払われ、一般管理費その他の経費(家賃、水道光熱
費など、請求書があるもの)となるもの

 (4)経費のうち、小口現金から支払われ、レシートを証憑とするもの。

 (5)人件費に係るもの(給料、厚生年金保険料、健康保険料、住民税、所得税など)
それぞれにファイルをつくり、証憑を時系列にとじていきます。

 上記は一例であり、診療科目やクリニックの規模・業態などによって変わってきます。アクアでは、顧問先の現状や課題に即して、ご相談を承っております。